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必要を満たしたもうキリスト 牧師 原田 史郎 ヨハネによる福音書６章１～１５節 主イエスのもとに大勢の群衆が集まってきました。主はフィリポに、「この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」と、言われます。フィリポは、すぐに計算して「めいめいが少しずつ食べるためにも、二百デナリ分のパンでは足りないでしょう」と答えました。 するとアンデレも「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます」と助言しましたが「けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう」と同じような答えでした。 このとき、およそ五千人の人々がいたとあります。パン五つと五千人の比率は、０.００１パーセント（女性、子どもを含めた倍数ならば０.０００５パーセント）です。この比率から出る判断は、「まったく足りない、何の役にも立たない」というものでしょう。思いみるに、わたしたちは、殆ど数値によってことを考え、成功するのかどうか判断をしているのです。経済成長率（ＧＤＰ）、偏差値、各種の検査値や統計の数値そして教会までも教勢という数値に捉われていないでしょうか。その中で、わたしたちは疲れ、限界を覚え、「足りない」と嘆いたり失望したりするのです。 しかし、主がこのパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、座っている人々に分け与えられると、人々は満腹しました。大切なことは「どのくらいか」ではなく、「どこでパンを」求めるのか、ということです。「イエスは言われた。『わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがない』（３５節）」 主イエス・キリストこそが、真の必要を満たしてくださる方なのです。この方こそ、わたしたちの求める命があるのです。 |