「心にキリストを住まわせ」

(9月4日の説教から)

牧師 原田 史郎

エフェソの信徒への手紙3章14~21節 

「信仰によってあなたがたの心の内にキリストを住まわせ、あなたがたを愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者としてくださるように」

これは、エフェソの信徒への手紙で使徒パウロの二番目の祈りです。

最初の祈りは、御父なる神が、心の目を開いて、神を深く知る者となるようにというものでした。この祈りを更に深めて、使徒はエフェソの信徒たちが「心の内にキリストを住まわせる」内住のキリストを祈ります。

 キリストは天に在るお方ですが、同時にわたしたちの内に在したもうお方であります。メーベル・フランシス宣教師の証しを聞いたことがあります。彼女が少女のとき、両親が妹に新しい服を買って与えました。自分を無視されたと怒った彼女は、大いに不満を募らせ、妹が喜んでいたその服を破ってしまいました。罰として納屋に閉じ込められた彼女は、憤懣やる方なく過ごしますが、怒りが静まったとき、静かな声を聞きました。「本当にそれで良いのか。わたしがお前を愛しているのは知っているね。お前の妹は、いつもお前の御下がりばかりを着ていたのだよ」そのときフランシス先生は、自分の自我という罪に気付き、そしてそのようなわたしをも愛してくださるキリストが内に在すことを知ったのでした。

内に住みたもうキリストによって「キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解」することが出来ますように。そして「神の満ちあふれる豊かさにあずかり、満たされるように」祈りましょう。

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