東方から来た博士たち

12月29日

牧師 梁 在哲

イザヤ書1章1~10節    マタイによる福音書2章1~12節

預言者イザヤは、絶望的な状況の中で神の御言葉に依り頼み、イスラエルの民に告げ続けた。神はイザヤを通して「ご自分の民のために一人のみどり子が生まれ、権威が彼の肩にあり、その名は、平和の君と唱えられる」と約束してくださった(イザヤ9:6)。そして、「平和の王はエッサイの株としてダビデの王統からお生まれになる」と言われた(イザヤ11:1)。エッサイの根から芽生えた若枝は、弱く見えても生命に溢れる。キリストは弱くて、貧しいお姿で来られて、神を知る畏れ敬う聖霊に満たされた。人は、力ある者に偏り、自分の欲と感情に頼って判断する。しかし、平和の王は知恵と識別と知識の霊に満たされ、公平と真実を持って治められる。(11:2~3)。

平和の王は、「口の鞭と唇の勢いをもって統治される」(4節)。世の権力者たちは、鞭とあめをもって治めるが、平和の王なるキリストは、御言葉をもって治められる。主イエスは御言葉をもって病を癒され、教訓をお与えになり、人々を変えられた。聖霊に満たされたペトロの説教を聞いた群衆は大いに心を打たれ、3千人が洗礼を受けるようになった(使徒2:37)。それはペトロの力ではなくて聖霊の力、御言葉の力によるものであった。水が海を覆っているように、神を知る知識に満たされる時、世は神の御言葉に従い、自分の貪欲や感情によらず、神の知識に従って生きるようになる。その時、世に平和は訪れ(9節)、メシアは全ての民の旗印として立てられる。全ての民は国々からそれを求めて集い拝むようになりそのとどまる所は、栄光に輝く(10節)。

東方の博士たちもその旗印を求めて来た。彼らは星の導きによって幼子イエスのもとへと導かれて主の御顔の輝きを仰いだ。彼らはひれ伏して最高の宝物を捧げ、主を拝んだ。今日の世界は、依然として争いや憎しみと混乱に満ちて厳しさを増している。しかし、平和の王なるキリストは、御言葉をもって統治され、全ての被造物を変えられる。神を知る知識が世に満ちる時、世は回復される。私たちは、神の御言葉によって変えられ、世に遣わされる者として水が海を覆っているように神を知る知識が世に満ちて平和の世界に変えられるように切に願う。

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