最高の道

9月11日の説教

梁在哲牧師

 

ホセア書1119節  コリントの信徒への手紙一1227133

使徒パウロは、二回目の伝道旅行の際、1年半にわたってコリントで福音伝道に励み、成果を収めた。ところが、ユダヤ人は、妬みを抱き、パウロのことを総督ガリオに訴えた。しかし、総督はその問題には介入せず、間もなく、パウロはコリントを離れ、エフェソに戻った。バルカン半島南部アカイア地方のコリント教会は、知識を大事にする一方、気性の激しさも著しく見られ、両方がうまく調和を取れなくなり、聖霊の賜物を正しく受け入れず、それを歪め、集い毎に様々な問題を起こしてしまった。それゆえ、パウロは、この手紙を通して先ず、「体とその部分」の例えを「キリストと教会」の関係にあてはめて、地上のコリント教会の人々はたとえ、紛争やみだらな行い、また分派の対立に明け暮れても、彼らは「キリストのお体なる唯一の完全な教会」の一つの部分であることを証した(コリントⅠ12:27)。そして、正しい「聖霊の賜物」について証し、その賜物を用いるための「最高の道」として神の愛を示した(28~31節)。パウロは、全てにおいて神秘と信仰と慈しみを超える神の愛がなければ、全てのことは、空しく、無に等しい、と厳しく戒めた(13:1~3)。

コリント教会の対立と分裂した姿から愛なき奉仕と信仰が教会の中で起こり得ることに気付いたからである。見栄えや自分の力を見せつけるためではなく、神の愛の力に信頼を寄せつつ、賜物を用いることを求められたからである。預言者ホセアは、よちよち歩きの幼子イスラエルにご自分の「愛の道」を歩くことを教える神の愛を告げた(ホセア11:3~4)。彼は異邦人の偶像の神、バアルに香を焚き、犠牲を捧げ、主なる神に背いているイスラエルを見捨てることなく、激しく心を動かされ、胸を焼かれる程、憐れまれる父なる神の愛を告げ続けた(11:8)。それゆえ、主イエスは、律法の中で最も重要な掟は、「神である主を愛し、隣人を愛しなさい」、と言われた(マルコ12:29~31)。道であり、真理であり、命である御子イエス・キリストを通して父なる神の愛を受け、聖霊の御助けによって罪に砕かれ、新しくされるわたしたちの前に「最高の道」が開かれている。わたしたちは、幼い子どもから年を召された方々に至るまで神の家族として御子イエス・キリストを通して一筋に開かれた父なる神にいたる「愛の道」を信頼と喜びをもって歩み続けたいと願う。

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