救いの約束

20091115日 説教 原田多恵子 牧師

     出エジプト記 6章2~13節

 イスラエルの神「ヤハウエ」はアブラムに約束を与えました。「あなたの子孫は異邦の国で寄留者となり、400年の間、奴隷として仕え、苦しめられるであろう。しかしわたしは、彼らが奴隷として仕えるその国民を裁く。その後、彼らは多くの財産を携えて脱出するであろう。」創世記15章13,14

 今やその時が来ました。エジプトに寄留していた民は、400年の間に増えたため、ファラオは国家の安全を脅かす存在と考えました。このため、ファラオは、二つの町の建設のため、彼らを酷使したので、イスラエルの民は、呻きの中から神に助けを求めたのです。 この叫びを神は聞かれ、モーセを選び、彼らを奴隷の桎梏から解き放たれます。

わたしたちのこの時代も難民が国境を越えて移動し、また、先進国と言われる国の中でも経済格差や失業率の増加の中で、わたしたちも呻いています。経済の問題だけでなく、精神や心の闇も深くなっています。

 神は、先祖アブラハムに与えられた約束を思い起こし、その民をその悲惨さから、救い出され、「乳と蜜の流れる地」へと導かれます。

 この奴隷からの救いは、新約聖書では、イエス・キリストによるわたしたちの罪からの救いを表すものなのです。イスラエルの民が脱出前夜、家の入り口の鴨居と柱に子羊の血を塗ることにより、初子を撃つ主の使いが過ぎ越しました。そのようにイエス・キリストの十字架の血は、わたしたちの罪を清め、罪の奴隷から、神によって生かされる自由へと解放してくださいました。ここから、わたしたちの新しい生き方が始まるのです。

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