互いに愛しあいなさい

2010年4月25日 説教 原田 史郎牧師

ヨハネによる福音書 13章31~35節

 

 「今や、人の子は栄光を受けた。」と主は言われます。十字架の時という闇が迫ってくる中で、神の栄光の時という光も近づいてくるのです。この「栄光」は、ヨハネによる福音書では、主イエスの十字架のことです。神のみ子が、もっとも低くされ、苦しみの中で十字架にお掛りになる時、それは神さまのわたしたちに対する救いの成就の時としての栄光の時なのであります。

 

 そして、主は弟子たちに言われました。「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛しあいなさい。」 愛し合うということは、普遍的な真理ですが、新しいことではありません。すこし前のことですが、わたしの家に武者小路実篤の書いた額が掲げられていました。かぼちゃの絵が描かれていて、そこに、「仲良ききことは美しきかな。」といったような言葉が書いてあったように覚えています。この言葉の故か、或いはそう願った両親の故か、総じて仲の良い家族であったと思います。

旧約のレビ記の中にも、「自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。わたしは主である。」(19:18)と言われています。この戒めは、イスラエルにとっても大切な古い戒めの一つなのです。

 

しかし、この普遍的な真理としての古い戒めが主イエスによって「新しい掟」として改めて命じられるのは、主イエスが十字架にご自身の命を捨ててまでわたしたちを愛されたことによるのです。エレミヤが預言したように、この戒めはわたしたちの「胸の中に授けられ、心の中に記される」(エレミヤ31:33)ものなのです。

この素晴らしい輝きに満ちた、主から与えられた戒めの中にキリストの共同体は歩むのです。

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