「安心して行きなさい」

7月28日

牧師 梁 在哲

ルカによる福音書7章36~50節

洗礼者ヨハネと主イエスのメッセージを聞いたあるユダヤ人たちは、悔い改めるどころかお二人を「悪霊に取りつかれた者だとか、大食漢で大酒飲みだとか徴税人や罪人の仲間だ」(7:33~34節)と非難した。その様子をご覧になった主イエスは「しかし、知恵の正しさはそれに従う全ての人によって証明される」(35節)と言われた。それは神の知恵(コリントⅠ 1:30)であられるご自分を受け入れて従う者は、神の知恵の正しさを証しするようになることであった。

シモンと呼ばれるファリサイ派の人が主イエスを自分の家に招いた。「ある罪深い女がそれを知り、高価な香油を持って来て泣きながら主イエスの足に香油を塗り、接吻し、自分の髪の毛で塗らした」(37~38節)。女性は悔い改めて砕かれた心と、自分の罪が主イエスによって赦される、確かな思いをもって涙と感謝と愛の心を主イエスに捧げた。おびただしい罪にも拘わらずこの女性は、主イエスを通して示される神の知恵を受け入れて従う者となった。

それゆえ、主イエスは言われた。「あなたの罪は赦された。あなたの信仰があなたを救った」(48、50節)、と。それは自分の罪を赦して救ってくださる主イエスを信じる信仰によるものであった。そして、主イエスはご自分を信じて神の知恵を受け入れて従うこの女性に「安心して行きなさい」(50節)、と言われる。

それは「今まであなたを苦しめていたその恥じ、その悩みの時は、もう過ぎ去り、これからは平安があなたを待っているからあなたは安心して行きなさい」と言われる祝福の挨拶である。私たちは数多くの罪が赦されたこの女性と同じように罪を赦された者としてお互いの罪と過ちを赦し合いつつ、主イエスを通して示されている神の知恵の正しさに従い、それを証して行く者になりたいと願うのである。

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