神の言の真実

12月 4日の説教

梁在哲牧師

 

イザヤ書55章1~11節     ルカによる福音書4章14~21節

紀元前8世紀半ばから7世紀後半まで50年間、エルサレムで活動し続けた預言者イザヤは、アッシリアによって北イスラエルが滅ぼされる混乱を目の当たりにした。ところが、イザヤ書には、ほぼ2百年にわたって救い主、メシアを待ち望む預言が様々な形で綴られている(第一、第二、第三イザヤ)と、言われる。その預言は、救い主イエス・キリストの降誕によって成就され、主なる神の口から出る「言の真実と御力」は、確実に成し遂げられた(イザヤ55:11)。主イエスは、荒れ野で聖霊に導かれ、悪魔から誘惑を受けられ、その誘惑を退けられた。その後、聖霊の力に満ちてユダヤからガリラヤに帰られ、その評判がたちまちの内に広まった。

そして主は、お育ちになったナザレに来られ、いつもの通り、安息日にユダヤ会堂で語られた(ルカ4:14~16)。礼拝は、最初、律法を輪読し、次は預言書が朗読される順に行われたが、預言者イザヤの巻物が 主に渡され、お開きになると、イザヤ書の個所が目に留まった(17節)。それは、主なる神の霊にとらわれ、油を注がれた救い主メシアは、打ち砕かれた心を包み、捕らわれ人には、自由を、つながれている人には、解放を告知するために遣わされる、良い知らせであった(イザヤ61:1~2)。そこで主は、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にした時、実現した」と、話し始められた(21節)。わたしたちは、父なる「神の言の真実」は、必ず成し遂げられることを信じ、御子イエス・キリストを通して与えられる自由と解放への望みを仰ぎつつ、クリスマスを迎えたいと願う次第である。

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