「悪と戦うキリスト」

3月12日(日)

牧師 原田 史郎

マタイによる福音書12章22~32節

 主イエスが悪霊に取りつかれていた人を癒されたとき、人々は「この人はダビデの子ではないだろうか」と驚いて言いました。この「ダビデの子」とは、「アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図(マタイによる福音書1章1節)」とあるように「キリスト(メシア)」を意味する呼び名なのです。これに対してファリサイ派の人々は、主イエスのみ業を、こともあろうに「悪霊の頭ベルゼブルの力によっている」と非難しました。

 主は、サタンがサタンを追い出せばその国は成り立たないことや、ユダヤ教の教師たちも悪魔払いをしていることを挙げ反論されます。そして、

「しかし、わたしが神の霊で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ」と言われました。

 ブルームハルトは、悪霊に取りつかれた姉妹を癒すために、み言葉と祈りによって戦いました。そして2年に及ぶ戦いの末、ついに1843の年クリスマスに、彼女は「イエスは勝利者だ、イエスは勝利者だ」と吠えるように叫びました。それ以降、悪霊は次第に静かになり、ついには消滅してしまいました。勝利者である主イエスの前には、どんなに悪が権勢を誇り、悪霊がわたしたちを縛ろうとも、無力なのです。主イエスがおられるところ、神の国は確実にわたしたちのところに来ているのです。

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