心の内に主を住まわせる者

9月15日説教

梁在哲牧師

 

歴代誌下7章11~16節   エフェソの信徒への手紙3章14~21節

使徒パウロは、異邦人もユダヤ人のように救われ、御国の嗣として召されたことは、前代未聞の教会の秘密であると証した。そして自分にその秘密が啓示され、異邦人の使徒として召されるようになった神秘に感激し、エフェソ教会の人々のためにひざまずいて祈った(エフェソ3:14~21)。ソロモン王は、主の神殿と王宮を完成し、この神殿と王宮について行おうと考えていたすべての事を成し遂げたその夜、主はソロモンに現われ、「もし私の名をもって呼ばれている私の民がひざまずいて祈り、私の顔を求め、悪の道を捨てて立ち帰るなら、私は天から耳を傾け、罪を赦し、彼らの大地をいやす」と仰せになった(歴代誌下7:14)。

パウロは先ず、聖霊の力によって父なる神の豊かな栄光が「内なる人」を強め、「新しい人」となるように祈った(エフェソ3:16)。「内なる人」は、神を捜し求めるが、欲望を持つ肉体の「外なる人」がそれらを妨げるゆえに、パウロは、「内なる人」が悔い改め、洗礼を受け、聖霊の力によって父なる神の豊かな栄光に満たされ、「新しい人」となるようにひざまずいて祈った。次にパウロは、聖霊の力によってエフェソ教会の信徒たちの心の中に信仰が芽生え、その信仰によって「心のにキリストを住まわせる者」になるように祈り、互いに愛し合い、愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者としてくださるようにひざまずいて祈った(17節)。

御子イエスは、父なる神に別の弁護者である聖霊を遣わしてくださるように願い、聖霊がわたしたちの内にいるように祈り、ご自身も我々の内におられると約束してくださったからである(ヨハネ14:16・20)。引き続いてパウロは、人間によるものではなく、聖霊を通して与えられる知識によって人知を遥かに超えるキリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さを知るように祈り、ついには、神の満ちあふれる豊かさのすべてにあずかり、満たされるように祈った(18~19節)。主なる神の満ち溢れる豊かさ、その豊かな栄光は、繰り返して捧げられる焼き尽くす献げ物といけにえによるものであった(歴代誌下7:1~3)。

しかし、御子イエス・キリストが世に来られ、「一回限りの十字架の血潮とご復活」によって父なる神の神殿、教会は、「神の豊かな栄光」に満ちあふれるようになった。最後にパウロは、詩編の記者が「万軍の天使たちに、延いては、主に造られたもの、全ての被造物に頌栄」を勧めたように(詩編103:19~22)、エフェソ教会の信徒と共に頌栄を捧げた(20~21節)。どうか、「心の内にキリストを住まわせる者」として互いに愛し合いながら、父なる神の豊かな栄光と御子イエス・キリストの愛と聖霊の力を褒め称えたいと祈り、願う。

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