無秩序な歩みに陥らず主に仕える者 10月12日説教 梁在哲牧師 コへレトの言葉3章1~13節 テサロニケの信徒への手紙二3章6~13節 使徒パウロは、コリントで再び出会ったお二人の弟子、テモテとシラから、テサロニケの教会の厳しい状況を聞いた。ある者が、パウロが宣べ伝えた福音を歪めて特に、「自分は、聖霊を通して主の再臨の啓示を受けて、パウロからも別の手紙をも受けた」と教会を騒がしていたからである。その上、一部の人々は、主の再臨を言訳にして日常の働きもせず、群がって信徒の家庭に迷惑をかけした。そこでパウロは、この手紙を通して。先ず、主の再臨のことを歪めて、熱くなり過ぎた群れに向かって単なる自分たちのためではなく、福音が速やかに宣べ伝えられ、悪人どもから逃れるように祈ってくださいと願った(テサロニケⅡ3:1~2)。 そして、怠惰な生活を警戒し、「怠惰な生活をして自分たちの教えに従わないでいる全ての兄弟を避けなさい」とキリストの御名によって命じた。彼らを避けて、離れることこそ、彼ら、脱線した者に、反省と悔い改めの機会を与えるからであった。その上パウロは、彼らが自分に倣うように身をもって示した模範を思い起こすよう勧めた(3:6~10)。主イエスは、「働く者が食べ物を受けるのは、当然だ」と言われた(マタイ10:10)。しかし、パウロは、彼らが自分に倣うように自分の権利を諦めて天幕造りをしながら自給自足の生活をした。「怠惰」の本来の意味は、「無秩序な歩み」を表わすが、それは、単に働かないことだけではなく、教会の信仰の仲間たちに自分勝手な、自分の都合のみで振舞う様子を示す。 また、パウロは、怠惰な生活をし、少しも働かず、余計なことをしている者たちに「それらのことを避けて自分で得たパンを食べるように、落ち着いて仕事をしなさい」と厳しく戒め、勧めた(11~12節)。パウロは、「キリスト者は、自分の力で汗を流して神より与えられた賜物と恵みに応え、自らの責任を果たすように」促した。教会の中だけではなくて、日常の生活においても落ち着いて誠実に働くことこそ、神の恵みへの答えであり、キリストに仕えることになるからであった。それゆえ、宗教改革者カルヴァンは、勤勉、規律、節約に基づいた人間の働きは、神からの祝福と召命であると述べたが、それらは、後にプロテスタント教会倫理の礎となる。 コへレトの言葉の記者は、「人は誰もが主なる神の恵みに答えて自分の手の働きによって飲み食いし、その労苦によって満足すのは、神の賜物だ」と解き明かした(コへレト3:13)。詩編記者も「主なる神の御業を仰ぎつつ、その恵みに答えて誠実に働くわたしたちの手の働きを確かなものにしてください」と願った(詩編90:13~17)。最後に、パウロは、「たゆまず怠惰な生活を避けながらも、無秩序な信仰生活をしている者たちから受ける非難に屈して落胆しないように」と勧めた(13節)。我々は、父なる神の賜物と恵みに答えて誠実に、落ち着いて働き、聖霊の御助けによって無秩序な歩みに陥らず、御子イエス・キリストに仕える者として主の愛によって歩み続けたいと祈り、願う。 |